品質管理流通科とは
水分活性の測定
品質管理流通科3年生は総合実習でコンウェイユニットを使用し
食品の品質を保持する上で重要な水分活性(食品中の自由水の割合)を調べました。
理由は食品の腐敗原因のひとつに微生物の繁殖があり
その繁殖に利用できる食品中の水分を自由水(利用できない水分を結合水)といい
食品中の自由水の量が少なければ見た目水分が多くても微生物は繁殖しにくくなり
その食品の保存性を高めることができるからで
地味な検査ではありますが信頼性のある重要な検査方法(平衡重量法)です。
ちなみに本学科には水分活性を自動で計測してくれるスイス・ノバシーナ社製の
水分活性測定装置もあるので実験が正確にできたか知るために
自分たちがコンウェイユニットで出した結果と計測装置が出した結果とを
最後は比べて終わりましたが比べた結果はナイショです。
EDTA溶液を作る
品質管理流通科3年生は総合実習で今後挑戦するキレート滴定に向けて
EDTA溶液作りに取り組みました。
時間はたっぷりあるのですが下四桁まで読み取れる精密天秤を使用し試料を量りとり溶かしたあと
一滴もこぼさずメスフラスコに入れ標線に合わせて蒸留水を調整するという少し細かい作業に
得意不得意はありますがやはり生徒たちは苦労していました。
ちなみにEDTAとはエチレンジアミン四酢酸二ナトリウムのことです。
ペーパークロマトグラフィー
品質管理流通科2年生は総合実習でペーパークロマトグラフィーの原理を学びました。
ペーパークロマトグラフィーはろ紙などにしみこませた試料を混ざっているもの別に
分離させ簡単に分けることがことができる実験です。
簡単に言うとろ紙につけた物質はろ紙とのくっつきやすさの相性や分子の大きさによって
溶媒(今回は蒸留水)を伝ってあがる速度が違うのでその違いを利用しています。
3年生になると同じ原理を使った薄層クロマトグラフィーに挑戦します。
ちなみに今回は黒インクを使用し黒色は赤・青・黄色の三原色にはっきり分かれました。
カニの樹脂標本の仕上げ①
品質管理流通科1年生は前に七重浜で採集した磯ガニをポリエステル樹脂で固めました。
今回の水産海洋基礎実習はその仕上げとして樹脂のデコボコした表面を
耐水サンドペーパーで一心不乱に削る作業となります。
ちなみに流し固めた樹脂は思ったよりも表面がゆがんでいるので平らにするために
それこそ修行僧のように削る作業を繰り返すのでそれに耐え忍び自分と向き合う心が大切です。
乳酸菌数の測定
品質管理流通科3年生は総合実習で市販の乳酸菌飲料を使い乳酸菌数の測定に挑みました。
写真にあるようにクリーンベンチ内で試料を希釈したあとに
前回自分で用意したBCP加プレートカウント培地を使用し培養します。
インキュベータという定温を維持できる機械で72時間培養後その数を測定することとなります。
ちなみに今回の試料はNewヤクルトです。
発色剤の効果を知ろう②
品質管理流通科2年生は食品サイエンス実習で前回の実習で仕込み
1週間冷蔵庫で熟成させた豚もも肉を使用して発色の違いを学びました。
前回塩こしょうだけ塗り込んだもの(A)とそれに発色剤として亜硝酸ナトリウムを足したもの(B)に
加えてAに食紅で色をつけたもの(C)をゆでてその違いを観察しましたが
写真の通りだいぶ色合いなどの違いが出ました(上からB→A→C)。
ちなみにこの実習を行ったのは29日(肉の日)でした。
着色料の検査
品質管理流通科2年生は総合実習で羊毛の毛糸を使い
合成着色料と天然着色料のそれぞれの性質とその利用方法を学びました。
簡単に言うと合成着色料のタール色素が酸性下では羊毛を染色する性質を利用して
その食品に使用されている色素の判別を行いましたがそれぞれ違いがはっきり出ました。
ちなみに毛糸に昔函館の十字街などにあった「ちはるや」の名前が
書いてあるシールが貼ってありとても懐かしく思いました。
ケルダール法による粗タンパク質の定量②
品質管理流通科3年生は食品サイエンス実習で前回処理した試料を使い
粗タンパク質の定量を行いました。
実際には機械が大部分の処理を行ってくれるので作業量は多くないのですが
最後の仕上げとしてきっちりと各班ごとに滴定をしこの日の実習を終えました。
ちなみに今回試料としたのはブリの若魚であるイナダでした。
食品製造と衛生
品質管理流通科1年生は水産海洋基礎実習で食品製造に
必要な手洗いや実習服・マスクの着用法などを学びました。
まずはブラックライトで光るジェルを手につけて手洗いをしたあとブラックライトに当てて
ちゃんとジェルが落とせているか確認するとやはり洗い残しが多かったです。
その後白い長靴を履いてエアーシャワーを通ると生徒たちは歓声ををあげていました。
乳酸菌の検査
品質管理流通科3年生は総合実習で乳酸菌の検査のため培地作成準備を行いました。
今回観察しようとしている乳酸菌の生育環境は糖やタンパク質が豊富な環境が多く自分でアミノ酸を
合成する能力を持たない菌が多いため普段使用している標準寒天培地では培養ができません。
そのためBCP加プレートカウント培地を使用することとなります。
ちなみにこの培地は食品衛生法に基づく「乳及び乳製品の成分規格に関する省令」で発酵乳および
乳酸菌飲料の乳酸菌数測定法培地として指定されている定められた公定培地となりますので
発酵乳や乳酸菌飲料・アイスクリーム中の乳酸菌数測定ができます。