品質管理流通科とは
レトルトカレー製造
品質管理流通科3年生は総合実習にてレトルトカレーを製造しました。
各調理をした規定量の肉や野菜を人海戦術で袋に詰め封をしたあとに殺菌しますが
量が多すぎても少なすぎてもいけないので生徒はいつにも増して慎重に計量していました。
ちなみに本学科で製造するのは毎年チキンカレーです。
食塩の分離
品質管理流通科2年生は食品サイエンス実習で前回処理した醤油の灰から
食塩を取り出す実験に取り組みました。
今まで学んだ知識を活かしひだ折りしたろ紙をセットした漏斗(ろうと)で
蒸留水に溶かした醤油の灰をこした水を蒸発させると食塩が徐々に析出してきます。
生徒たちはガスバーナーから出る熱の暑さに耐えながら実験を続けていました。
ちなみに写真に載っている今回使用した蒸発皿は生徒たちの生まれるずっと前から
本校にある古強者です。
水の残留塩素測定
品質管理流通科2年生は総合実習の授業で残留塩素の測定に取り組みました。
水道水やプールでは塩素が含まれていないと微生物などが繁殖し安全ではなくなるため
その管理がとても大切です。
今回はDPD(N,N-ジエチル-p-フェニレンジアミン)試薬とヨウ化カリウムを利用して
遊離残留塩素と総残留塩素を測定し結合残留塩素まで求めました。
これは対象となる水に粉末薬剤を入れると色づきその濃淡を専用の測定器で比較することにより
簡単に塩素量を知る事ができるので飲料水やプールの水だけでなく排水検査など幅広く使用されます。
生徒たちは実際にしばらく使用せずにいた水道水と数分間出しっぱなしにした水道水
本校のプール水に加え外部で汲んできた地下水を調べその違いと安全性について学びました。
ちなみに昔はオルトトリジンを使用し塩素測定をしていましたが発がん性が指摘されたため
公式な使用が禁止されました。
腸炎ビブリオ検査
品質管理流通科3年生は応用微生物の実習にて腸炎ビブリオ菌の培養試験に取り組みました。
腸炎ビブリオは魚貝類やその加工品によって起こりやすい食中毒菌ですので
日本での発生件数がサルモネラによる食中毒と並んで多いです。
生徒たちはストマッカーやマイクロピペットなど今まで学び使用してきた
器具を駆使し実験に取り組んでいました。
ちなみに腸炎ビブリオは大阪で起きたシラスによる食中毒をきっかけに
大阪大学の藤野恒三郎教授によって発見されました。
磯採集
品質管理流通科1年生は基礎実習の授業で磯採集を行いました。
この日は曇天で雨がパラつくこともあり蒸し暑かったですが
針金に付けたイカの切り身をエサに生徒たちは思い思いの場所で
とても楽しそうにイソガニなどの捕獲に取り組んでいました。
今後は観察やスケッチをしたのち標本にしたいと思います。
ちなみに品質管理流通科1年の生徒は毎年この磯採集を行っているのですが
この頃はカニも警戒心が高くなりあまり捕まえられないことも多くなりました。
しかしなぜか今年はたくさん採れたのですが必要な数だけで残りは海に返しました。
メロンゼリー
品質管理流通科3年生は総合実習にてメロンゼリーを製造しました。
おおきな赤肉メロンからはとても甘い匂いがし実習室は瞬く間にメロンの香りに包まれての作業となり
なかでも生徒たちは初めてカップ詰めを経験して楽しそうでした。
ちなみに今回のメロンからは例年以上にたくさんの果肉がとれたので
いつもの倍以上の大きなカップゼリーとなりました。
塩分の分離
品質管理流通科2年生は食品サイエンス実習にて醤油から塩化ナトリウム(食塩)のみを
取り出す実験に取り組みました。
この実験では醤油を蒸発皿に定量取りひたすら水分を飛ばすのですが
その時にどうしても煙がたくさん出るためドラフトチャンバーを使用しました。
ドラフトチャンバーとは有害な煙などを強制排気するボックス状の機械です。
最終的にマッフル炉にて醤油を完全に灰にしたら来週はいよいよ食塩を取り出す実験です。
ちなみに2023年11月に開催された水銀に関する水俣条約第5回締約国会議にて段階的に
全ての一般照明用蛍光灯の製造や輸出入が2027年末までに終了・廃止と決定しました。
本校にあるドラフトチャンバーは20年以上前の物なので中についている照明が
蛍光灯でしたがもちろん全てLED照明に交換を終えています。
板かまぼこに苦戦
品質管理流通科2年生は総合実習で板かまぼこ作りに挑戦しました。
あらかじめ調味されたすり身を板に乗せて形を整えるだけですが
柔らかいすり身をきれいに成型するのはなかなか難しかったようです。
今回の授業ではひとり1個作成しましたがやはりそれぞれの性格が出て製品の出来に直結しました。
ちなみに品質管理流通科では基本的に同じ実習を2度は行いません。
生徒たちは幅広い知識と経験をこれからも積み重ねていきます。
食品技能コンテスト参加
毎年この時期は水産高校で食品系を学ぶ生徒が一堂に会して
その知識と技量を競う全国大会が開かれます。
その名も「全国水産・海洋高等学校食品技能コンテスト」。
今回で23回目を数えるこの大会は今年も昨年に引き続き長崎大学にご協力いただき
8月19・20日に水産学部を会場として行われました。
コンテストの内容は筆記問題と実技試験からなり
実技試験は基本実技の魚の捌き方と応用実技の有機酸の定量試験となります。
本校から今年参加したのは品質管理流通科3年佐藤龍貴くんで
夏季休業中も学校に登校しその技量を少しでも高めるため補習に取り組んでいました。
そして長崎の暑い夏に負けず熱い戦いが繰り広げられ残念ながら結果は3位。
全国から集まった強豪に一歩及ばず本人も悔しがっていましたが
とてもいい経験になったと思います。暑い中おつかれさまでした。
ちなみに佐藤くんは本校の生徒会長です。
コロナ禍で学んだこと
数年前日本を含む世界中でCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)がまん延し
マスクを探し歩いたり卒業式を含め様々なイベントが延期や中止されたり
外出の制限がかかるなど我々の行動に変化を求められたのは記憶に新しいです。
当時は品質管理流通科でも手指消毒用アルコールや手洗いの励行のため
ハンドディスペンサーの設置や施設・器具の消毒などあらゆる対策をいたしました。
もちろん今でも変わらず設置され生徒たちは実験前後に良く手を洗っています。
ニュースによると7週連続でコロナ患者が増えているそうなので
夏季休業が明けて生徒たちが学校に戻った時に油断しないよう話したいと思います。
コロナだけでなく病気になると苦しむのは自分です。みなさまもお気をつけください。