品質管理流通科とは
カニの樹脂標本の仕上げ②
品質管理流通科1年生は水産海洋基礎実習にて
前回作業の続きでカニの樹脂標本の表面を磨き完成させました。
この作業は集中力と忍耐が必要となりますが
できあがりを楽しみに耐水サンドペーパーの目が粗い120番から始まり
240番・400番・600番・1200番を経てようやく仕上げの2000番にたどり着き
最後にプラスチックポリッシャーでピカピカに磨き上げました。
ちなみにこの授業を休んだり作業が遅いと
後日放課後の居残り補習で完成させるまで作業は続きます。
水分活性の測定
品質管理流通科3年生は総合実習でコンウェイユニットを使用し
食品の品質を保持する上で重要な水分活性(食品中の自由水の割合)を調べました。
理由は食品の腐敗原因のひとつに微生物の繁殖があり
その繁殖に利用できる食品中の水分を自由水(利用できない水分を結合水)といい
食品中の自由水の量が少なければ見た目水分が多くても微生物は繁殖しにくくなり
その食品の保存性を高めることができるからで
地味な検査ではありますが信頼性のある重要な検査方法(平衡重量法)です。
ちなみに本学科には水分活性を自動で計測してくれるスイス・ノバシーナ社製の
水分活性測定装置もあるので実験が正確にできたか知るために
自分たちがコンウェイユニットで出した結果と計測装置が出した結果とを
最後は比べて終わりましたが比べた結果はナイショです。
EDTA溶液を作る
品質管理流通科3年生は総合実習で今後挑戦するキレート滴定に向けて
EDTA溶液作りに取り組みました。
時間はたっぷりあるのですが下四桁まで読み取れる精密天秤を使用し試料を量りとり溶かしたあと
一滴もこぼさずメスフラスコに入れ標線に合わせて蒸留水を調整するという少し細かい作業に
得意不得意はありますがやはり生徒たちは苦労していました。
ちなみにEDTAとはエチレンジアミン四酢酸二ナトリウムのことです。
ペーパークロマトグラフィー
品質管理流通科2年生は総合実習でペーパークロマトグラフィーの原理を学びました。
ペーパークロマトグラフィーはろ紙などにしみこませた試料を混ざっているもの別に
分離させ簡単に分けることがことができる実験です。
簡単に言うとろ紙につけた物質はろ紙とのくっつきやすさの相性や分子の大きさによって
溶媒(今回は蒸留水)を伝ってあがる速度が違うのでその違いを利用しています。
3年生になると同じ原理を使った薄層クロマトグラフィーに挑戦します。
ちなみに今回は黒インクを使用し黒色は赤・青・黄色の三原色にはっきり分かれました。
カニの樹脂標本の仕上げ①
品質管理流通科1年生は前に七重浜で採集した磯ガニをポリエステル樹脂で固めました。
今回の水産海洋基礎実習はその仕上げとして樹脂のデコボコした表面を
耐水サンドペーパーで一心不乱に削る作業となります。
ちなみに流し固めた樹脂は思ったよりも表面がゆがんでいるので平らにするために
それこそ修行僧のように削る作業を繰り返すのでそれに耐え忍び自分と向き合う心が大切です。
乳酸菌数の測定
品質管理流通科3年生は総合実習で市販の乳酸菌飲料を使い乳酸菌数の測定に挑みました。
写真にあるようにクリーンベンチ内で試料を希釈したあとに
前回自分で用意したBCP加プレートカウント培地を使用し培養します。
インキュベータという定温を維持できる機械で72時間培養後その数を測定することとなります。
ちなみに今回の試料はNewヤクルトです。
発色剤の効果を知ろう②
品質管理流通科2年生は食品サイエンス実習で前回の実習で仕込み
1週間冷蔵庫で熟成させた豚もも肉を使用して発色の違いを学びました。
前回塩こしょうだけ塗り込んだもの(A)とそれに発色剤として亜硝酸ナトリウムを足したもの(B)に
加えてAに食紅で色をつけたもの(C)をゆでてその違いを観察しましたが
写真の通りだいぶ色合いなどの違いが出ました(上からB→A→C)。
ちなみにこの実習を行ったのは29日(肉の日)でした。
着色料の検査
品質管理流通科2年生は総合実習で羊毛の毛糸を使い
合成着色料と天然着色料のそれぞれの性質とその利用方法を学びました。
簡単に言うと合成着色料のタール色素が酸性下では羊毛を染色する性質を利用して
その食品に使用されている色素の判別を行いましたがそれぞれ違いがはっきり出ました。
ちなみに毛糸に昔函館の十字街などにあった「ちはるや」の名前が
書いてあるシールが貼ってありとても懐かしく思いました。
ケルダール法による粗タンパク質の定量②
品質管理流通科3年生は食品サイエンス実習で前回処理した試料を使い
粗タンパク質の定量を行いました。
実際には機械が大部分の処理を行ってくれるので作業量は多くないのですが
最後の仕上げとしてきっちりと各班ごとに滴定をしこの日の実習を終えました。
ちなみに今回試料としたのはブリの若魚であるイナダでした。
食品製造と衛生
品質管理流通科1年生は水産海洋基礎実習で食品製造に
必要な手洗いや実習服・マスクの着用法などを学びました。
まずはブラックライトで光るジェルを手につけて手洗いをしたあとブラックライトに当てて
ちゃんとジェルが落とせているか確認するとやはり洗い残しが多かったです。
その後白い長靴を履いてエアーシャワーを通ると生徒たちは歓声ををあげていました。
乳酸菌の検査
品質管理流通科3年生は総合実習で乳酸菌の検査のため培地作成準備を行いました。
今回観察しようとしている乳酸菌の生育環境は糖やタンパク質が豊富な環境が多く自分でアミノ酸を
合成する能力を持たない菌が多いため普段使用している標準寒天培地では培養ができません。
そのためBCP加プレートカウント培地を使用することとなります。
ちなみにこの培地は食品衛生法に基づく「乳及び乳製品の成分規格に関する省令」で発酵乳および
乳酸菌飲料の乳酸菌数測定法培地として指定されている定められた公定培地となりますので
発酵乳や乳酸菌飲料・アイスクリーム中の乳酸菌数測定ができます。
発色剤の効果を知ろう
品質管理流通科2年生は食品サイエンス実習で発色剤の効果について学びました。
豚もも肉塊に塩こしょうをしたものを各班2つ作り
片方には発色剤として使用されている亜硝酸ナトリウムを塗り込みました。
乳鉢で粒のブラックペッパーをすりつぶしたり2種類の岩塩を選択したりと
食品を作るとは思えないくらい化学実験らしい光景でした。
ちなみに今回作った豚肉は冷蔵庫で一週間寝かせ来週その効果を調べることになります。
ケルダール法による粗タンパク質の定量
品質管理流通科3年生は食品サイエンス実習にて代表的な粗タンパク質の定量法である
ケルダール法に取り組みました。
試料を硫酸と分解触媒と共に加熱するとタンパク質を構成するアミノ酸のアミノ基が
アンモニアとなり硫酸と結合して硫酸アンモニウムとなるのでアルカリ性にして加熱し
発生するアンモニア量を後日滴定によって定量します。
高度な実験ですが生徒たちは頭を悩ませながらも取り組んでいました。
ちなみにこのケルダール法は19世紀に開発され現在でも信頼できる方法として利用されており
本校にはスイスBUCHI社製のケルダール窒素分析システムが導入されています。
カニの樹脂標本つくり
品質管理流通科1年生は水産海洋基礎実習で前に七重浜で採集し
乾燥させた磯ガニを樹脂に封入しました。
まずカニをケースに入れポリエステル樹脂を流し込みデシケーターに入れ
ポンプで真空状態にして中まで樹脂を詰め込み
2週間ほど置いて樹脂が完全に固まったらひたすら紙やすりで削っていきます。
ちなみに何の種類かわかるように「種名」を書いたプレートも入れます。
薄層クロマトグラフィー②
品質管理流通科3年生は総合実習で薄層クロマトグラフィーを使い
自分たちで作ったニシンの切り込みのアミノ酸を調べました。
前回は水溶液のアミノ酸でしたが今回は固体なので乳鉢ですりつぶし
スルホサリチル酸水溶液を加え遠心分離機にかけて試料をを作るところから始めることとなり
なかなか作業量が多めでしたが3年生にもなるとさすがに手早く済ませていました。
ちなみに本来品質管理流通科の実習は同じことをしないのですが
前回は薄層クロマトグラフィーの意味と手順を学び
今回は食品中の遊離アミノ酸量測定に主眼をおいて行いました。
酵素による消化
品質管理流通科2年生は食品サイエンス実習でタンパク質の酵素による消化を学びました。
イカ塩辛はゴロ(肝臓)を加えることでその消化酵素(プロテアーゼ)により
自己消化される作用を利用していますが世の中にはこれ以外にも複数の消化酵素があります。
今回は実験ではその他にキウイ(アクチニジン)肉質軟化剤(パパイン含有)を
タンパク質であるゼラチンに乗せどれだけ溶けるのか観察しました。
ちなみに本来ゼリーはゼラチンを使用するため消化酵素を含む果物(パイナップル・キウイなど)は
ゼラチンが溶けてしまうので使用できませんがその果物をある程度加熱すると
消化酵素がその性質を失う(失活)するため缶詰の果物では溶けることはありません。
器具の使い方を学ぶ
品質管理流通科2年生は総合実習で微生物実験に使う器具類の扱い方を学びました。
10MLのメスピペットから始まり3ML・1MLと量の少ないものになるにつれ
その扱いが難しくなり失敗者が続出していました。
メスピペットで試料を吸うとき誤飲を防ぐため青梅綿(おうめわた)を適量詰めますが
その量が少なかったり使い終わってもなかなか取り出せなかったりと大苦戦でした。
ちなみに青梅綿は小袖などの着物に詰められていて
昔は寒くなると中に綿を足したり春になると綿を抜いたりしていたそうで
名字で四月一日と書いて「わたぬき」と読むのはここから来ているようです。
上級学校見学
品質管理流通科1年生は10月10日金曜日の晴れた日に上級学校見学を行いました。
これは進学なども見据えた自分たちの将来の目標の一助として早いうちに大学などの上級学校に進む
意味やその空気感を知ってもらうために品質管理流通科1年生が毎年実施しています。
見学したのは函館看護専門学校を皮切りに函館歯科衛生士専門学校
函館短期大学・函館大学を順番に案内していただきました。
実際に大学の大講堂や専門学校の充実した教育設備などを見て回ったことで
生徒たちはずいぶんと刺激をうけたようです。
次年度から本学科は水産食品科と統合され「食品創造科」となるため
品質管理流通科としての上級学校見学は今回でおしまいになりますが
今までこの見学を通してたくさんの生徒たちが進学を志して本校を飛び立ちました。
今年もご協力いただきました学校法人野又学園のみなさまに感謝申し上げます。
薄層クロマトグラフィーに挑戦
品質管理流通科3年生は総合実習で薄層クロマトグラフィーに取り組みました。
薄層クロマトグラフィーとは粉末のシリカゲル(お菓子などの乾燥剤によく使用される)を
薄く塗布したガラス板に液体試料をキャピラリーというガラス管でスポットし展開液につけて
ニンヒドリン溶液を吹きかけ焼き上げてその試料の有無を調べる定性実験です。
つまりペーパークロマトグラフィーの上位版というところでしょうか。
今回は下の写真のようにスプレッダーを使い薄層板作りも行いましたが
作業はなかなか体力とコツのいる作業なので生徒たちは大苦戦していました。
ちなみに今回使った試料は必須アミノ酸を含む17種類のアミノ酸です。
殺菌効果を調べる
品質管理流通科3年生は応用微生物の実習で殺菌効果があるといわれて販売されている
商品などの殺菌効果を調べました。
標準寒天培地を作りその上に納豆菌をたっぷり含んだ水をコンラージ棒で塗り広げて
その中心に殺菌剤を落としどれだけ納豆菌の繁殖が妨げられるかで
その薬剤などの殺菌効果を調べる実験です。
結果は納豆菌の培養のため一定温度で48時間経たないとわかりませんが
今から結果が楽しみだと生徒たちは楽しそうに話していました。
ちなみに世の中にある殺菌効果のある物にはそれぞれ菌や使用環境などに対して
向き不向きがあるので一概に効果があるから良いとか悪いとかと判断はできません。