品質管理流通科とは
あさりの佃煮
品質管理流通科3年生は総合実習であさりの佃煮を作りました。
佃煮とは江戸時代に佃島の漁師が雑魚(ザコ)といわれる小魚などを塩煮にしたのが始まりといわれ
その後エビやアサリなどを醤油や砂糖など加え煮込み発展した物が現在の佃煮となったといわれます。
今回は冷凍の蒸しあさりむき身を原料に醤油や酒などの調味料を加え千切りの生姜と共に炊きあげ
最後にみりんを加え全体的に照りを出すことも学びました。
ちなみに下の写真に載っているのは今回のあさりに混じっていたカニだと思われます。
海産物の特性上どうしても海藻などの混入は避けられませんが
実習では毎回目視などで異物を取り除いています。
魚油の採取
品質管理流通科3年生は総合実習で魚油の採取を行いました。
総合実習は座学で学んだ知識を生かし実際に取り組んでみる授業です。
今回はいわしをそれぞれ背肉・腹肉・内臓に分けたあと煮て魚油がどのくらい
各部位に含まれるのかを確認しました。
ただそのままでは水分なども混ざり油を抽出できないので遠沈管にいれたサンプルを
写真の遠心分離機に入れ固体や水など他の液体と油を分離しました。
ちなみにこの遠心分離機はメーカー名がKOKUSAN ENSINKI(国産遠心器)と
書かれていて長年の使用によりその他の文字がかすれているので詳しく調べないとわかりませんが
多分昭和45年頃から本校にいるので私よりもかなり先輩ですが今でも現役です。
もちろん大切に大切に取り扱っています。
サクラマスの解剖
品質管理流通科1年生は水産海洋基礎実習の授業でサクラマスの解剖を行いました。
絞めたばかりのサクラマスはあまり生ぐさいにおいもなく扱いやすいのですが
どうしても粘液でヌルヌルするので生徒たちは苦戦していました。
そのうちだんだん扱いに慣れ魚の大きさ(体長・体高・尾叉長)などを計測した後
腹部を切り開き内臓器官の場所やその仕組みを学びスケッチしていました。
そしてもちろん自分たちの勉強のために犠牲になってくれた魚たちへの感謝も忘れませんでした。
ちなみに今回は本校海洋技術科の生徒たちが人工授精からふ化させ
丹精込めて飼育しているサクラマスを分けていただきました。
海洋技術科のご協力に感謝いたします。
ガラス器具のお手入れ
このごろ品質管理流通科ではたんぱく質に関係する実験が多めです。
もちろん生徒たちも試験管ブラシなどを使って良く洗うのですが
なかなか落としきれない汚れもあり仕上げに超音波洗浄機で洗っています。
超音波洗浄機とはわかりやすく言えばメガネ屋さんでメガネを洗うあの機械で
学校にあるのはそれよりもかなり大きくなりますが機能は同じです。
超音波洗浄機専用の洗剤を使って洗浄したビーカーなどのガラス器具は
気持ちいいくらいにきれいになりますから今回のような実験後だけでなく夏休みや冬休みなど
しばらく使用しない期間などにも定期的にお手入れしています。
ところでこの記事を書いている時に”ミスタープロ野球”こと長嶋茂雄氏の訃報が入りました。
年齢が89歳で3日に亡くなったと聞き「野球(89)」で「背番号3」を連想し
長嶋監督らしいのかなとあの笑顔を思い出し懐かしくとても残念です。
今はネットが普及しみんながテレビなどを見る機会が少なくなり同じものを共有することが減り
生徒たちとの共通の話題が少なくなったなと感じていたのでこのニュースはとても寂しく思いました。
心よりご冥福をお祈りいたします。
月末のお手入れ
品質管理流通科では毎回の実習後にたくさんタオルなどの洗濯物が出ます。
汚れのひどいものは軽く手洗いしたあと
洗濯機で洗い衣類乾燥機で乾燥させ次の授業に備えています。
月末はいつもがんばってくれている洗濯機のお手入れの日なので
入念に歯ブラシなどを使いごみを取り除いたあと洗濯槽クリーナーで洗浄しました。
普段からの清潔な環境つくりは大切ですね。
ちなみに粉末タイプや液体タイプのクリーナーをどのくらいの頻度で使用するべきなのか
いつも迷っていたのですが迷っていつ実施したか忘れるくらいなら
両方使用することにして毎月月末に清掃を行っています。
貝殻の分類
品質管理流通科1年生は水産海洋基礎実習の授業で先週七重浜で拾ってきて
良く洗浄し乾燥させた貝殻の分類を行いました。
スーパーなどでは商品に書いてあるとおり名前がわかるのですが
実際自分達が拾ってきた貝殻は図鑑やクロームブックを使いネット検索しても
一目見ただけでは分類できずその特徴など頼りに調べるのにとても苦労していました。
ちなみに各都道府県のJF(漁協)が春夏秋冬ごとにその地域で旬を迎える海産物を選定し
おすすめする「プライドフィッシュ」というプロジェクトでは
ほっきがい(ウバガイ)が夏の苫小牧を代表する水産物として選定されていて
函館からは冬のごっこ(ホテイウオ)が選ばれています。
味覚感度を研ぎすます
品質管理流通科3年生は総合実習の授業で食品の味覚判定について学びました。
これは企業などでは食品のおいしさや風味に関する評価をする方法のひとつに
官能検査と言う検査があり製品の品質管理を行う上で重要な事だからです。
写真の7つのビーカーには「五原味」と言われる
「甘味」「塩味」「苦味」「酸味」「旨味」の味をつけた水と+味をつけてない水(ダミー)2個が用意され
それぞれを口に含みどの味かを判定する識別テスト用の水が入っています。
生徒たちは舌の感覚を研ぎすましながら判定しましたが
7つ全て合っていたのは16人中1人だけでした。
この他にも同じ味の水を薄い濃度から口に含みどの段階で味を確認できたかの検査
いわゆる閾値(いきち:味を判定できる最低濃度)の測定テストも行いました。
ちなみに一般的に甘味を受入れやすいのは自身のエネルギー源として
逆に酸味や苦みを拒否しがちなのはその食品が腐敗や毒を含むのではないかという
人が自分の身を守るために備わった反射機能であるといわれています。
函館山さんと生徒たち
品質管理流通科1年生は水産海洋基礎実習の授業で七重浜海浜公園に貝殻拾いに行きました。
本校になじみ深い七重浜にどのような貝が生息するのか調べるためです。
本学科は食品系の学科ではありますが一年生のこの授業では海に親しむ事などを目的に
一見関係なさそうな事も含めいろんな経験を積んでもらいます。
生徒たちは七重浜貝類図鑑という資料とバケツ片手に函館山さんに見守られながら
たくさんの貝殻(もちろん生きているものはダメ)を拾い集めていました。
ちなみに七重浜海水浴場などの事を「セブンビーチ」と呼ぶ時代もありましたが
生徒たちには通じず歳を感じました。
銅の旅
品質管理流通科2年生は食品サイエンスの授業で
無機化学実験定番のひとつである「銅の旅」を行いました。
この実験は銅の単体から始まり化合物を経過しまた元に戻るので「銅の旅」と呼ばれ
化学反応時に色も変わるので初心者でも非常にわかりやすく
本学科では毎年実験の手順を学ぶ一環のひとつとして取り入れています。
生徒たちはガスバーナーや漏斗(ろうと)などを駆使し様々な反応を見てその原理を学んでいました。
どんな実験でも危険は避けられませんがどれだけ安全に結果を出せるかがとても大切なことで
なぜなら結果がいくら出せてもケガや事故が有ればその実験は失敗だからです。
写真は今回使用した薬品です。
ちなみに生徒も勘違いしていましたが10円硬貨は純銅ではなくスズなどを混ぜた合金の青銅で
英語読みも銅のカッパーではなく青銅のブロンズになります。
オリンピックなどで授与させる銅メダルも青銅製が多いようですね。
pHについて
品質管理流通科2年生は食品サイエンスの実習でいろいろな食品のpHを調べました。
pHは水素イオン濃度指数の事で0~14の数字で表現され真ん中の7の中性を中心に
それより数字が小さいと酸性、大きいとアルカリ(塩基)性を示します。
生徒たちは食べるとすっぱいレモンなど予想しやすい食品だけでなく
卵白など予想しにくい食品の結果に驚いていました。
ところで梅干しはすっぱいのでpHは酸性(7未満)を示しますが
食品としてはアルカリ性食品に含みます。
これは酸性食品かアルカリ性食品かの基準は食品そのものの性質ではなく
体内で代謝(燃焼)された時にどちらかを示すが基準(梅干しはアルカリ性)となるためです。
ちなみにみなさんはpHをどう読みますか?
昔はドイツ語読みの「ペーハー」が多かったですが、
今は英語読みの「ピーエッチ(ピーエイチ)」が主流です。
過去日本では科学に関する多くの知識がドイツから流入した歴史的背景からですが
現在は計量単位規則に準じて英語読みのピーエッチ読みが多くなりました。
品質管理流通科の取り組みを紹介します!
C2 見た目はイクラ!コピー食品の製造原理を学びます。(R7.3.11)
品質管理流通科2年生は、科目:総合実習の食品サイエンス分野で【人工いくら】の製造方法を学びました。人工いくらはアルギン酸とカルシウムイオンの反応で表面を固まらせます。今回の実験で、いくらの主成分となる液体にアルギン酸を溶かし、ストローで吸い上げて滴下させ、カルシウムイオンが含まれる水溶液中で固まらせます。滴下する高さによって形が変わってしまうので、注意しながら作ります。
生徒たちは、班で話し合いながらきれいな球状になる高さを確認し合い、できあがった人工いくらを醤油液に浸けると、見た目はそっくりな【いくらの醤油漬け】になりました。今回は【いくら軍艦】や【手巻き寿司】として見た目にこだわって作ることができました。気になる味は。。。本科に入学して試してみてください!
C3 最後の実習は餅つき!(R7.1.23)
品質管理流通科3年生は、科目:総合実習で餅つきを行いました。
総合実習の最後は全員で協力して、3年間の労いと、新年度に向けての門出を祝い餅つきを行っています。
生徒の中には、餅つきを初めて経験する者も多く、杵の持ち方や付き方の指導を受けて餅をつきます。
力強く振り上げ下ろすやり方は間違いで、臼や杵のが欠けてしまい木くずが混入しまうため、杵の重さを利用して丁寧につきます。生徒全員がつき、最後は3年間の想いを込めて担任の先生についてもらいました。
できあがった餅をみんなで成形します、一口大の大きさに丸めてトレイに移し、みんなで試食します。できたての餅をみんなで食べ、みんなで協力できた最後の実習となりました。
C1 ホタテガイの解剖を行い、特徴を知ろう!(R7.1.17)
品質管理流通科1年生は、科目:水産海洋基礎実習で【ホタテガイの解剖】を行いました。
ホタテガイの解剖では、[貝の左右(表裏)はどちらか]や[年齢の調べ方]などを学び、貝を開いて各部位の名称を覚えます。生徒たちはホタテガイを自身で開いたことがない生徒が多く、模索しながら開いていました。
無事に開いた後、よく知られる貝柱やひも(閉殻筋や外とう膜)の他に、各部位の説明を聞きながらはさみとピンセットを上手に使って解剖を行いました。身近にある海産物の特徴を、体験的に学ぶことができました。
C3 カップ詰め製品を作りました!(R7.1.16)
新年を迎え、3年生の実習がスタートしました。3年生は科目:総合実習の製造分野で【カップ詰め製品】の実習を行いました。本校では【ミカンのシロップ漬け】を作ります。
ミカンのシロップ漬けは、取り除けないミカンの皮を薬品(酸・アルカリ)によって溶かし、果肉だけになったミカンをカップ容器に詰めてシロップを注ぎ、封をします。糖度の測定や、シロップの糖度計算など、これまで品質管理流通科で学んできたことを生かした実習を行いました。
3年生の実習も残りわずかとなっています。最後まで気を抜かずC科で学んでいる実習内容を身につけて卒業してほしいです。
C2 瓶詰製品(サケフレーク)の製造工程を理解する!(R6.11.12)
品質管理流通科2年生は、科目:総合実習で【瓶詰製品(サケフレーク)】の製造実習をおこないました。瓶詰製品の製造工程を理解することと、正確な計算を意識した製品づくりを心がけることを目的とし、実習に取り組みます。
今回の実習では、重量を測定して計算する作業が多く、鮭をほぐした身の重量(採肉後重量)を測定したあと、①蒸発させる水分の量を計算する ②添加する調味料を計量する などの作業があります。また、調味が終了した後の瓶詰め工程でも、重量を測定して詰めるため丁寧に作業しなければなりません。
生徒は、身をほぐす際も皮や骨、血合いなどが含まれないよう丁寧に取り除き、重量測定や調味料の計量の作業もテキパキおこない、見た目も良い製品ができあがりました。できあがった製品を食べた生徒の感想は
「ご飯の上に載せて食べた。美味しい製品ができた。」
と言っていて、丁寧に作業できた様子がうかがえました。
C3 発酵食品や乳酸菌飲料から乳酸菌数を測定してみよう!(R6.10.28)
品質管理流通科3年生は、科目:応用微生物の実験で【乳酸菌数の測定】を行いました。
乳酸菌は、腸内で悪玉菌の繁殖を抑え、腸内環境を整える作用があります。また、特徴として乳糖などの糖類を分解し、乳酸などの酸性物質を作り出します。
今回、使用した培地は紫色をしており、pHが酸性になると黄色に変わります。そのため、培養した細菌の周辺が黄色くなっている場合、培地の栄養成分を分解し酸性物質を作りだし黄色くなったと考察し、乳酸菌だと判断します。
今回使用した試料は、市販で売られている乳酸菌飲料や漬物の汁を調べました。下の写真は漬物の汁に含まれている乳酸菌を培養したもので、乳酸菌を測定することができました。卒業まであと少しのため、これまで学んできた細菌数測定の方法をしっかりと身につけてほしいです。
C1 C科実習室への入退室手順をマスターしよう!(R6.10.25)
品質管理流通科1年生は、科目:水産海洋基礎実習で【実習室への入退室オリエンテーション】を行いました。
手が汚れていたり、身だしなみのルールを守らない状態で製造実習を行ってしまうと、異物混入や微生物の繁殖による汚染などによって製品として生産できません。
手洗いについては、①紫外線により発光する薬剤を手に塗り付ける ②泡石けんを用いて手洗いをする ③紫外線を照射し、【①の汚れ残り=手洗いが不十分】な箇所がないかを調べました。手の平や指はきれいに落ちているが、指の付け根や爪に洗い残しが多いとわかりました。
また、実習室へは身だしなみを整えて入室するため、指定された実習服に着替えて完全に覆い隠します。今回は手洗いの方法や製造実習服の着用方法、実習室への入退室手順を学び、次回以降に行われる【魚のおろし方】できちんとできるようにしていきます。
C2 色素を検出する方法を学びました!(R6.10.15)
品質管理流通科2年生は、科目:総合実習のサイエンス分野で【ペーパークロマトグラフィー(PC法)】の実験を行いました。混合成分を分けたり検出する方法の一種で、今回は黒いインクの色素を抽出します。クロマト用ろ紙に黒インクを付け、展開槽に蒸留水を入れておき、黒インクを付けたろ紙を落として展開し、時間が経過すると色素が分かれます。
原理は、クロマト用ろ紙が水を吸い上げる際に、水に溶ける黒インクの色素も一緒に持ち上げていきます。色素の性質がそれぞれ違うため、今回の実験で黒インクから抽出された色素は【青・赤・黄】であり、これらを【色の三原色】とも言われます。
今回の実習では丁寧に作業をした結果、写真のように3色に分けることが出来ました。今後は、この実験操作で食品の成分分析を行うので忘れずにいてほしいです。
C1 品質管理流通科1年上級学校見学(R6.10.11)
品質管理流通科では、例年進路を考える上で、1年生のうちから実際に上級学校の見学や体験をする
ことで、進学に対する意識や知識の向上を目的に授業の一環として行ってきました。
今年度も、函館看護専門学校・函館歯科衛生士専門学校・函館短期大学・函館大学のみなさまの
ご協力をいただき心より感謝申し上げます。
1年生にとっても丁寧な説明や実際に体験させていただいたことで自分の進路と向き合うきっかけと
なったことと思います。
C1 体験乗船実習スタート!船内生活を体験します。(R6.9.27)
品質管理流通科1年生は、科目:水産海洋基礎で【体験乗船実習】を行ってきました。
船の運航に関する基礎的な知識と技術を身につけ、船内生活を体験することを目的としています。
生徒たちは船内見学をしたり、班別の実習(ロープワークや操舵体験等)を行います。
天候にも恵まれ、定刻通り10時に出港しました。船内で1日生活することになるので、緊張などで疲れやすくなりますが、貴重な経験となると思います。頑張れ、C1!!