品質管理流通科とは
さんまの開き干し
品質管理流通科2年生は総合実習でさんまの開き干しづくりに取り組みました。
煮干しやかつお節・魚の開きなどに代表される乾製品は乾燥させることで
水分活性を低下させ微生物の繁殖を阻害し長期間の保存を可能にした食品です。
しかし昔の先人たちは科学的な裏付けや知識が乏しいなか
生活の知恵としてこのような製品を作り出したことにいつも驚きます。
ちなみに今回のさんまは北海道産ですが箱入りの冷凍さんまが
1匹1匹冷凍エビフライのようにトレーに乗っているとは思いませんでした。
キレート滴定
品質管理流通科3年生は食品サイエンス実習で水の硬度をキレート滴定によって調べました。
前回は学校で作っておいた標準液で練習しましたが
今回は実際に自分たちが住んでいる市町村の水道水を使い計測にチャレンジしました。
ちなみに水道水は主に市町村別に整備されますが
同じ北斗市でも上磯地区と大野地区は採水場所が違うため硬度が違います。
本校で使用されている水道水は上磯ダムから清川浄水場へ導水ポンプで送られた表流水です。
イワシをおろす
品質管理流通科1年生は水産海洋基礎実習で食品技能検定に向けた
練習のためイワシの三枚おろしと腹開きに挑戦しました。
食品技能検定とは全国水産高等学校長協会によって実施されており
水産食品に関する総合的な知識や技術の習得などを目的とする検定で
近年食の安全・安心への高まりから水産高校生以外も受験しているようです。
ちなみに練習の結果は包丁を使ったことがほとんどない生徒も多く
イワシは無残な姿になってしまったものも多かったです。
保存方法としてのくん製
品質管理流通科3年生は総合実習でチキンレッグのくん製作りに取り組みました。
現在はチーズやウイスキー・ナッツなど気軽に家庭でくん煙をかけ
その薫りを楽しむことも多くなりましたが
本来くん製にする目的は煙に含まれる殺菌成分の浸透や
長時間のくん製による水分活性の低下により微生物の繁殖を抑え
食品を長期間保存することにあります。
今日は生徒たちが調整したソミュール液(いわゆる調味液)に漬け込みましたが
これから数日間漬けてからその後蒸し上げてくん煙をかけ来週には完成します。
ちなみに今回の原料は東北産でした。
酢と油と乳化
品質管理流通科2年生は食品サイエンス実習でマヨネーズ作りに取り組みました。
目的は本来混ざらないはずの酢と油がなぜ混ざるようになるのかを科学的見地から考え
普段食べている食品への理解を深めるためです。
ちなみにマヨネーズに何につけるか(かけるか)を生徒たちに聞いたところ
あたりめやポテトチップスなど多種多様でした。
せいぜいキュウリやポテトサラダしか思い浮かばなかった私は時代が変わったなと思いました。
製品のバラツキを調べよう
品質管理流通科2年生は総合実習で製品がきちんとできているか内容量について調べてみました。
製造された製品には必ずバラツキが発生しこれが小さい場合は問題となりにくいですが
大きくなると内容量の不足など重大な問題が発生する可能性があります。
今回は管理図(シューハート管理図)を用いてそのバラツキが異常原因(見逃せないバラツキ)か
偶然原因(許しえるバラツキ)なのかを統計的手法で調べました。
簡単に言うとすべての製品を計量しグラフ化することで原因を調べたということです。
ちなみに今回の検査には自分たちが作ったびん詰めのサケフレークを使いました。
水の硬度測定練習
品質管理流通科3年生は食品サイエンス実習で水の硬度測定練習に取り組みました。
水質の検査には有害物質の有無など様々な項目がありますが
今回は比較的身近な硬度について調べてみました。
硬度は簡単に言うと水に含まれるマグネシウムイオンとカルシウムイオンの含有量を示し
少なければ「軟水」多ければ「硬水」と呼ばれます。
その区別に優劣はないもののそれぞれメリット・デメリットが存在するため
硬度はとても大切な数値となります。
例えば日本は比較的軟水が多く軟水はお米の味をふっくら甘く引き立て
日本茶のうま味とまろやかさが出ますが
硬水で炊くと米はパサつきやすくパエリアなどに向きます。
硬水の多い地域であるヨーロッパなどでは硬水に含まれるカルシウムが
パスタのデンプンと反応しコシが出ますし肉の臭みを抑えてくれるなど食文化に関連します。
ちなみに次回は生徒が住んでいる地域の水道水の硬度をそれぞれ測ります。
食品製造実習に慣れよう
品質管理流通科1年生は水産海洋基礎実習で食品製造に取り組むに当たっての心構えと
実習室の使い方に慣れるためにリンゴの皮むきに挑戦しました。
まずは正しく製造実習服を着てマスクをし粘着テープで髪の毛などを取り
手洗いしたあとエアーシャワーを通りテーブルなどのセッティングをしました。
そのあとの皮むきでは普段から包丁を使い慣れている生徒とそうでない生徒に
はっきり分かれましたが誰も手を切らずに無事終了しました。
ちなみに今回のリンゴは青森産サンふじでした。
松前漬づくり
品質管理流通科3年生は総合実習で道南の郷土料理である松前漬を作りました。
この日はひたすらにスルメや日高昆布・にんじんを一定の細さに揃えて切る作業でしたが
生徒たちは一生懸命取り組んでいました。
ちなみに冬の保存食としての松前漬作りにふさわしくと言っていいのか
この日は冬将軍さんが大暴れして外は一面銀世界でした。
北海道ってミルクランドだなぁ
先日ですが本校で「道南高校生への乳製品無料配布とアンケート企画」が実施され
新函館農業協同組合(JA新はこだて)様より牛乳とアイスクリームが全校生徒分寄贈されました。
ちょうど昼食時に配布され生徒たちはとても喜んでいました。
関係者のみなさまに感謝いたします。
ちなみに配布されるまでたくさんのアイスクリームが品質管理流通科の冷凍庫を占領していました。
溶質と溶媒
品質管理流通科1年生は水産海洋基礎実習で正しい溶液の作り方を学びました。
今回は塩化ナトリウム(いわゆる食塩)としょ糖(いわゆる砂糖)を使い
指定された濃度・量の塩水と砂糖水を作りました。
小数点2桁まで計量することのできる秤で正確に量りとることはもちろんですが
正しい量りとり方を学ぶことが目的です。
計算で出した規定量をこぼさず量り必要な蒸留水で溶かすだけですが慣れないと難しい作業です。
なぜこの練習をするのかというと塩や砂糖ならケガをすることはありませんが
実験に必要な薬品類を量るときにボロボロこぼしていてはケガと失敗の原因となるからです。
このあと自分たちが作った塩水・砂糖水は塩分計と糖度計でその数値を調べ
きちんとできているか確認しました。
ちなみに下の写真の上から塩分計・低糖度計・高糖度計です。
冷凍食品(焼きおにぎり)製造
品質管理流通科3年生は総合実習で今まで学んだ知識を活かし冷凍食品作りに取り組みました。
冷凍品とは一般的に-18℃以下の食品や食材を指しますが
これらは低温下で管理されるため微生物による腐敗などの影響を受けにくく長期保存が可能です。
しかしおいしく作るためには冷凍時に細胞の破壊を少なくするために
急速に冷やし最大氷結晶生成帯を30分以内に通過するのが良いとされていますので
本学科では急速凍結庫を使用して凍結し酸化防止のため窒素ガス充填してパック詰めしています。
ちなみに今回使用したお米はふっくりんこです。
1日防災学校
本校では11月27日「1日防災学校」を開催いたしました。
この行事は第3次学校安全の推進に関する計画(令和4年閣議決定)に基づき
生徒が安全に関する資質・能力を確実に育くむことができるよう
防災教育の一環として毎年開催されています。
午前中は各学年ごとに取り組む内容は違いますが
下の写真は品質管理流通科3年生が本物のダンボールベッドを使い
その組み立て方などについて学んでいるところです。
午後からはシェイクアウトとして全校生徒が津波の到来を想定し4階に避難訓練しましたが
今年は7月30日に本当の避難警報が出され不安に思った生徒も多かったのか
とても熱のこもった訓練となりました。
今年も1日防災学校の開催にご協力いただきました渡島総合振興局や北斗市の関係者の
みなさまに感謝いたします。
洗剤のはたらき②
品質管理流通科2年生は食品サイエンス実習で界面活性剤がどうして(油)汚れを落とすのか
その原理と役割について学びました。
洗剤に含まれる界面活性剤は洗濯物を傷めることなく汚れを落とすことができますが
それは界面活性剤が水になじむ親水基と油になじむ親油基(疎水基)を合わせ持つ
特異な分子構造をしているためです。
皮脂汚れなど主な原因は油成分なので界面活性剤の親油基がくっつきますが
反対の作用をする親水基は水にひっぱられるので結果として汚れは落ち
その現象をローリングアップ現象といいます。
今回は実際にごま油と毛糸や綿の布を使い浸透・分散・乳化を体験しました。
ちなみに界面活性剤は特徴別にその用途に応じて使い分けられており
シャンプーやボディソープなどに使われる陰イオン系(アニオン)や
リンスや柔軟剤に使われる陽イオン系(カチオン)などがあります。
サケフレークの製造
品質管理流通科2年生は総合実習でサケフレークを作りました。
本当ならば北海道で漁獲され魚卵を抜いた後のメスの身を使ったりするのですが
みなさんご存じの通り今年も鮭が不漁で代用品として養殖のギンザケで製作しました。
ちなみに今回加工したサケはチリ産でした。
実験器具の扱いを学ぶ
品質管理流通科1年生は水産海洋基礎実習で2年生以降によく使うガラス実験器具の
使用方法について学びました。
基本的な実験器具ばかりでしたが中学校で使ったことのないものも多く
安全な実験の心構えを考えながらメニスカスを読み正しく計量する手順などに取り組みました。
当たり前ですが実験は基本的に安全ですが100%の保証はできません。
どんなにいい結果が出てもケガをしたりすればそれは失敗です。
器具の正しい使用と安全に実験を行う知識が一番大切なことです。
ちなみに本学科の水産海洋基礎実習では今まで海に親しむことなどを主眼に行ってきましたが
これからは少し2年生に備えた実験実習が多くなります。
カニの樹脂標本つくり(放課後補習編)
品質管理流通科1年生は水産海洋基礎実習4時間でカニの樹脂標本つくりに取り組みましたが
欠席したりきれいに削ることに熱中しすぎて作業が遅れた生徒たちが
放課後に実験室で続きを行いました。
思い思いの作業スピードでしたが無事終了するとうれしそうでした。
ちなみにこの補習は提出日までに完成させるため必ず出なければなりませんが
部活動や家の用事などで出られる日はその生徒よって様々ですし
帰る時間から逆算して作業するため1日で終わらないことがあります。
みかんのシラップ漬け
品質管理流通科3年生は総合実習でみかんのシラップ漬けを作りました。
温めて外果皮(フラベド)が剥きやすくなったみかんの皮を剥いて白い筋(アルベド)をとり
薄皮に包まれた中の房(じょうのう)ひとつひとつに分けます。
そのあと薄い酸と薄いアルカリ溶液でじょうのうの薄皮を剥き
十分水さらししたあとシラップと一緒にカップに入れ殺菌して完成です。
ちなみに生徒たちと話していたらみかんの缶詰を食べたことがない生徒がいて
昔はポテトサラダに半月切りした魚肉ソーセージとともに入っていた話をしても通じませんでした。
確かに今はいろんなおいしいものが世の中にあふれているのは事実ですが
みかんの缶詰は日本発祥ですからこれからも大切にしたいものです。
洗剤のはたらき
品質管理流通科2年生は食品サイエンス実習で食器用洗剤を使用して
界面活性剤のはたらきと汚れが落ちる仕組みを学びました。
蒸留水で100倍・250倍・500倍・1000倍・2000倍に薄めた各洗剤液に
同じ大きさに切ったフェルトを浮かべると最初は浮かんでいたフェルトが
界面活性剤の力によりその浮力を失い沈みますが洗剤液の濃さによってその時間に差が出ます。
生徒たちはその差をストップウォッチ片手に一生懸命記録していました。
ちなみにその結果をフリーハンドでグラフにしましたがなかなか苦労していました。
リンゴジャム作り
品質管理流通科2年生は総合実習でリンゴジャム製造に取り組みました。
前に別の授業で小規模に実験室でプルーンジャムを作り原理を学び
その知識を生かして今回は製造実習に臨みました。
ちなみに瓶詰めにした今回のジャム原料は七飯町産でした。
カニの樹脂標本の仕上げ②
品質管理流通科1年生は水産海洋基礎実習にて
前回作業の続きでカニの樹脂標本の表面を磨き完成させました。
この作業は集中力と忍耐が必要となりますが
できあがりを楽しみに耐水サンドペーパーの目が粗い120番から始まり
240番・400番・600番・1200番を経てようやく仕上げの2000番にたどり着き
最後にプラスチックポリッシャーでピカピカに磨き上げました。
ちなみにこの授業を休んだり作業が遅いと
後日放課後の居残り補習で完成させるまで作業は続きます。
水分活性の測定
品質管理流通科3年生は総合実習でコンウェイユニットを使用し
食品の品質を保持する上で重要な水分活性(食品中の自由水の割合)を調べました。
理由は食品の腐敗原因のひとつに微生物の繁殖があり
その繁殖に利用できる食品中の水分を自由水(利用できない水分を結合水)といい
食品中の自由水の量が少なければ見た目水分が多くても微生物は繁殖しにくくなり
その食品の保存性を高めることができるからで
地味な検査ではありますが信頼性のある重要な検査方法(平衡重量法)です。
ちなみに本学科には水分活性を自動で計測してくれるスイス・ノバシーナ社製の
水分活性測定装置もあるので実験が正確にできたか知るために
自分たちがコンウェイユニットで出した結果と計測装置が出した結果とを
最後は比べて終わりましたが比べた結果はナイショです。
EDTA溶液を作る
品質管理流通科3年生は総合実習で今後挑戦するキレート滴定に向けて
EDTA溶液作りに取り組みました。
時間はたっぷりあるのですが下四桁まで読み取れる精密天秤を使用し試料を量りとり溶かしたあと
一滴もこぼさずメスフラスコに入れ標線に合わせて蒸留水を調整するという少し細かい作業に
得意不得意はありますがやはり生徒たちは苦労していました。
ちなみにEDTAとはエチレンジアミン四酢酸二ナトリウムのことです。
ペーパークロマトグラフィー
品質管理流通科2年生は総合実習でペーパークロマトグラフィーの原理を学びました。
ペーパークロマトグラフィーはろ紙などにしみこませた試料を混ざっているもの別に
分離させ簡単に分けることがことができる実験です。
簡単に言うとろ紙につけた物質はろ紙とのくっつきやすさの相性や分子の大きさによって
溶媒(今回は蒸留水)を伝ってあがる速度が違うのでその違いを利用しています。
3年生になると同じ原理を使った薄層クロマトグラフィーに挑戦します。
ちなみに今回は黒インクを使用し黒色は赤・青・黄色の三原色にはっきり分かれました。
カニの樹脂標本の仕上げ①
品質管理流通科1年生は前に七重浜で採集した磯ガニをポリエステル樹脂で固めました。
今回の水産海洋基礎実習はその仕上げとして樹脂のデコボコした表面を
耐水サンドペーパーで一心不乱に削る作業となります。
ちなみに流し固めた樹脂は思ったよりも表面がゆがんでいるので平らにするために
それこそ修行僧のように削る作業を繰り返すのでそれに耐え忍び自分と向き合う心が大切です。
乳酸菌数の測定
品質管理流通科3年生は総合実習で市販の乳酸菌飲料を使い乳酸菌数の測定に挑みました。
写真にあるようにクリーンベンチ内で試料を希釈したあとに
前回自分で用意したBCP加プレートカウント培地を使用し培養します。
インキュベータという定温を維持できる機械で72時間培養後その数を測定することとなります。
ちなみに今回の試料はNewヤクルトです。
発色剤の効果を知ろう②
品質管理流通科2年生は食品サイエンス実習で前回の実習で仕込み
1週間冷蔵庫で熟成させた豚もも肉を使用して発色の違いを学びました。
前回塩こしょうだけ塗り込んだもの(A)とそれに発色剤として亜硝酸ナトリウムを足したもの(B)に
加えてAに食紅で色をつけたもの(C)をゆでてその違いを観察しましたが
写真の通りだいぶ色合いなどの違いが出ました(上からB→A→C)。
ちなみにこの実習を行ったのは29日(肉の日)でした。
着色料の検査
品質管理流通科2年生は総合実習で羊毛の毛糸を使い
合成着色料と天然着色料のそれぞれの性質とその利用方法を学びました。
簡単に言うと合成着色料のタール色素が酸性下では羊毛を染色する性質を利用して
その食品に使用されている色素の判別を行いましたがそれぞれ違いがはっきり出ました。
ちなみに毛糸に昔函館の十字街などにあった「ちはるや」の名前が
書いてあるシールが貼ってありとても懐かしく思いました。
ケルダール法による粗タンパク質の定量②
品質管理流通科3年生は食品サイエンス実習で前回処理した試料を使い
粗タンパク質の定量を行いました。
実際には機械が大部分の処理を行ってくれるので作業量は多くないのですが
最後の仕上げとしてきっちりと各班ごとに滴定をしこの日の実習を終えました。
ちなみに今回試料としたのはブリの若魚であるイナダでした。
食品製造と衛生
品質管理流通科1年生は水産海洋基礎実習で食品製造に
必要な手洗いや実習服・マスクの着用法などを学びました。
まずはブラックライトで光るジェルを手につけて手洗いをしたあとブラックライトに当てて
ちゃんとジェルが落とせているか確認するとやはり洗い残しが多かったです。
その後白い長靴を履いてエアーシャワーを通ると生徒たちは歓声ををあげていました。
乳酸菌の検査
品質管理流通科3年生は総合実習で乳酸菌の検査のため培地作成準備を行いました。
今回観察しようとしている乳酸菌の生育環境は糖やタンパク質が豊富な環境が多く自分でアミノ酸を
合成する能力を持たない菌が多いため普段使用している標準寒天培地では培養ができません。
そのためBCP加プレートカウント培地を使用することとなります。
ちなみにこの培地は食品衛生法に基づく「乳及び乳製品の成分規格に関する省令」で発酵乳および
乳酸菌飲料の乳酸菌数測定法培地として指定されている定められた公定培地となりますので
発酵乳や乳酸菌飲料・アイスクリーム中の乳酸菌数測定ができます。
発色剤の効果を知ろう
品質管理流通科2年生は食品サイエンス実習で発色剤の効果について学びました。
豚もも肉塊に塩こしょうをしたものを各班2つ作り
片方には発色剤として使用されている亜硝酸ナトリウムを塗り込みました。
乳鉢で粒のブラックペッパーをすりつぶしたり2種類の岩塩を選択したりと
食品を作るとは思えないくらい化学実験らしい光景でした。
ちなみに今回作った豚肉は冷蔵庫で一週間寝かせ来週その効果を調べることになります。
ケルダール法による粗タンパク質の定量
品質管理流通科3年生は食品サイエンス実習にて代表的な粗タンパク質の定量法である
ケルダール法に取り組みました。
試料を硫酸と分解触媒と共に加熱するとタンパク質を構成するアミノ酸のアミノ基が
アンモニアとなり硫酸と結合して硫酸アンモニウムとなるのでアルカリ性にして加熱し
発生するアンモニア量を後日滴定によって定量します。
高度な実験ですが生徒たちは頭を悩ませながらも取り組んでいました。
ちなみにこのケルダール法は19世紀に開発され現在でも信頼できる方法として利用されており
本校にはスイスBUCHI社製のケルダール窒素分析システムが導入されています。
カニの樹脂標本つくり
品質管理流通科1年生は水産海洋基礎実習で前に七重浜で採集し
乾燥させた磯ガニを樹脂に封入しました。
まずカニをケースに入れポリエステル樹脂を流し込みデシケーターに入れ
ポンプで真空状態にして中まで樹脂を詰め込み
2週間ほど置いて樹脂が完全に固まったらひたすら紙やすりで削っていきます。
ちなみに何の種類かわかるように「種名」を書いたプレートも入れます。
薄層クロマトグラフィー②
品質管理流通科3年生は総合実習で薄層クロマトグラフィーを使い
自分たちで作ったニシンの切り込みのアミノ酸を調べました。
前回は水溶液のアミノ酸でしたが今回は固体なので乳鉢ですりつぶし
スルホサリチル酸水溶液を加え遠心分離機にかけて試料をを作るところから始めることとなり
なかなか作業量が多めでしたが3年生にもなるとさすがに手早く済ませていました。
ちなみに本来品質管理流通科の実習は同じことをしないのですが
前回は薄層クロマトグラフィーの意味と手順を学び
今回は食品中の遊離アミノ酸量測定に主眼をおいて行いました。
酵素による消化
品質管理流通科2年生は食品サイエンス実習でタンパク質の酵素による消化を学びました。
イカ塩辛はゴロ(肝臓)を加えることでその消化酵素(プロテアーゼ)により
自己消化される作用を利用していますが世の中にはこれ以外にも複数の消化酵素があります。
今回は実験ではその他にキウイ(アクチニジン)肉質軟化剤(パパイン含有)を
タンパク質であるゼラチンに乗せどれだけ溶けるのか観察しました。
ちなみに本来ゼリーはゼラチンを使用するため消化酵素を含む果物(パイナップル・キウイなど)は
ゼラチンが溶けてしまうので使用できませんがその果物をある程度加熱すると
消化酵素がその性質を失う(失活)するため缶詰の果物では溶けることはありません。
器具の使い方を学ぶ
品質管理流通科2年生は総合実習で微生物実験に使う器具類の扱い方を学びました。
10MLのメスピペットから始まり3ML・1MLと量の少ないものになるにつれ
その扱いが難しくなり失敗者が続出していました。
メスピペットで試料を吸うとき誤飲を防ぐため青梅綿(おうめわた)を適量詰めますが
その量が少なかったり使い終わってもなかなか取り出せなかったりと大苦戦でした。
ちなみに青梅綿は小袖などの着物に詰められていて
昔は寒くなると中に綿を足したり春になると綿を抜いたりしていたそうで
名字で四月一日と書いて「わたぬき」と読むのはここから来ているようです。
上級学校見学
品質管理流通科1年生は10月10日金曜日の晴れた日に上級学校見学を行いました。
これは進学なども見据えた自分たちの将来の目標の一助として早いうちに大学などの上級学校に進む
意味やその空気感を知ってもらうために品質管理流通科1年生が毎年実施しています。
見学したのは函館看護専門学校を皮切りに函館歯科衛生士専門学校
函館短期大学・函館大学を順番に案内していただきました。
実際に大学の大講堂や専門学校の充実した教育設備などを見て回ったことで
生徒たちはずいぶんと刺激をうけたようです。
次年度から本学科は水産食品科と統合され「食品創造科」となるため
品質管理流通科としての上級学校見学は今回でおしまいになりますが
今までこの見学を通してたくさんの生徒たちが進学を志して本校を飛び立ちました。
今年もご協力いただきました学校法人野又学園のみなさまに感謝申し上げます。
薄層クロマトグラフィーに挑戦
品質管理流通科3年生は総合実習で薄層クロマトグラフィーに取り組みました。
薄層クロマトグラフィーとは粉末のシリカゲル(お菓子などの乾燥剤によく使用される)を
薄く塗布したガラス板に液体試料をキャピラリーというガラス管でスポットし展開液につけて
ニンヒドリン溶液を吹きかけ焼き上げてその試料の有無を調べる定性実験です。
つまりペーパークロマトグラフィーの上位版というところでしょうか。
今回は下の写真のようにスプレッダーを使い薄層板作りも行いましたが
作業はなかなか体力とコツのいる作業なので生徒たちは大苦戦していました。
ちなみに今回使った試料は必須アミノ酸を含む17種類のアミノ酸です。
殺菌効果を調べる
品質管理流通科3年生は応用微生物の実習で殺菌効果があるといわれて販売されている
商品などの殺菌効果を調べました。
標準寒天培地を作りその上に納豆菌をたっぷり含んだ水をコンラージ棒で塗り広げて
その中心に殺菌剤を落としどれだけ納豆菌の繁殖が妨げられるかで
その薬剤などの殺菌効果を調べる実験です。
結果は納豆菌の培養のため一定温度で48時間経たないとわかりませんが
今から結果が楽しみだと生徒たちは楽しそうに話していました。
ちなみに世の中にある殺菌効果のある物にはそれぞれ菌や使用環境などに対して
向き不向きがあるので一概に効果があるから良いとか悪いとかと判断はできません。
ワックスがけしました
令和7年(2025年)11月8日土曜日に
本校の創立90周年記念式典が開催されます(参加受付締切済)。
それに伴い品質管理流通科の3つの実験室が控室となるため床ワックスを塗りました。
実験室はたいてい毎日使用しているためなかなかタイミングがつかめずにいましたが
無事にワックスがけが終了いたしました。
ちなみに品質管理流通科の実験室は空気が乾燥したワックスの乾きやすい
毎年1月から3月にワックスがけを実施しています。
カニの観察
品質管理流通科1年生はこの前の水産海洋基礎実習で採集した磯ガニの観察を行いました。
採集生物の形態観察はもちろん種の同定・標本制作までこなしました。
ちなみに今回採集した磯ガニはカニの種類としてはイソガニがほとんどで
その他にはヒライソガニとイシガニが1匹ずついました。
食品添加物(漂白剤の検出)
品質管理流通科3年生は食品サイエンス実習で身近な加工食品に含まれる漂白剤について学びました。
きざんだ試料とリン酸溶液入れた三角フラスコにヨウ素酸カリウムでんぷん用紙を反応させ
色が変化するかどうかを観察しました。
私たちがいつでも新鮮なものを手に入れられる状況(経済的にも含む)ならば
食品添加物に頼らずに生きていけばいいとは思いますが食料自給率の低い日本では
そのままでは食用にできずとも加工することによって食べられる状態にした食品を利用したり
賞味期限を延ばすことにより遠い地域の物を運んできて供給することを可能にしています。
また消費者心理的に黒ずんだ食品などはやはり敬遠されるので
品質を一定に保つ添加物の利用については一長一短なのかなとは思います。
ちなみに食品添加物の漂白剤には酸素の酸化作用を利用し色素を分解する酸化漂白剤と
亜硫酸で色素を還元して漂白する還元漂白剤があります。
豆腐を作る
品質管理流通科2年生は食品サイエンス実習でタンパク質の塩析による凝集(固まること)を
学ぶために豆乳から木綿豆腐を作りました。
実際に豆腐を作り親水コロイドやにがり(塩化マグネシウム)による凝固の原理を
身を持って体験し生徒たちは驚きながらも楽しんでいました。
「料理は科学」という言葉もあるように料理をおいしくするためには
科学知識があればより上達が早いと思います。
ちなみに今回は豆腐を作るために成分の濃い(大豆固形分10%以上)豆乳と
豆腐製造に適した濃度のにがりを使用しました。
体育大会開催!
函館水産高校では毎年恒例の体育大会が開催されました。
この日は天候にも恵まれ絶好の日和となりグラウンドではソフトボールとサッカー
体育館ではバレーボールと楽しそうに生徒たちは汗を流していました。
ちなみに下の写真は水産食品科1年生と品質管理流通科1年生合同チームの様子です。
来年度から上記2つの学科が統合され新学科「食品創造科」へ生まれ変わります。
最後の体験乗船
品質管理流通科1年生は9月26日金曜日に実習船若竹丸で体験乗船を行いました。
函水生は日数の違いはあっても(本学科は1日間)全員が乗船します。
前日の大雨が嘘のように晴れ渡ったこの日は少し風は残っていましたが
あまり船も揺れずいいコンディションで生徒たちも船の操舵やエンジン
また無線などについて実物を見ながら学ぶことが出来ました。
若竹丸の乗組員をはじめ関係者のみなさまに感謝申し上げます。
次年度からは水産食品科と統合して「食品創造科」となるため
品質管理流通科としての体験乗船はこれで終了です。
ちなみに船でのお昼ごはんは「豚の生姜焼き」でした。
拭き取り検査
品質管理流通科3年生は総合実習で前回自分が作った道具を使い拭き取り検査を行いました。
拭き取り検査とは食品工場などの調べたい部分を滅菌した道具で拭き取り
道具に付着した菌を寒天培地で増殖させ可視化しその汚染具合を調べる検査です。
結果が出るのは後日となりますがどのぐらいの菌が出るのか楽しみです。
ちなみに生徒たちは普段使っている実験台を拭きとっていました。
ジャムの製造原理を学ぶ
品質管理流通科2年生は食品サイエンス実習でジャムの製造原理を学ぶため
今が旬の地場産プルーンを使用しじっくり煮詰めていきました。
ジャム類は「果実に砂糖を加えて加熱し煮詰めてゲル状に凝固させたもの」を示し
果肉に含まれるペクチンと砂糖と酸(有機酸)のバランスきちんととれていなければ
ジャム特有のとろみが出てこないので教科書で学んだ知識を活かし生徒たちは取り組みました。
ちなみにこの経験を活かし後日総合実習にてリンゴジャムの製造実習に取り組みます。
拭き取り検査準備
品質管理流通科3年生は応用微生物の実習で次回行う拭き取り検査の準備のため
必要な道具の作製を行いました。
拭き取り検査とは空気中に存在し調理器具などに落下して付着する目に見えない菌を
可視化してその汚染度を測定する検査です。
生徒たちはカッターでケント紙を切り抜いた枠作りや竹串とガーゼをタコ糸で結びつけるための
巻結びに苦労ながらガーゼタンポンを作成しました。
ちなみに拭き取り検査は市販のキットが存在するのですが本学科では
まず基礎基本を理解してからということで作成から学んでいます。
固形食品の塩分定量
品質管理流通科3年生は食品サイエンス実習で2回目の塩分定量実験を行いました。
前回の試料は液体の醤油を使いましたが固形物測定の場合は
計量した食品を蒸留水に入れ温め塩分を溶解させたものをろ紙でこした液を調べます。
生徒は下2ケタまで表示する電子天秤で決められた量をピッタリとることに苦労していました。
ちなみに今回使用した試料は前に自分たちで作った「ニシン切込み」でした。